【社会福祉士国家試験対策】福祉の国家試験は何が出題される?社会福祉士の試験は難しい?社会福祉士の国家試験について【現役専門職解説】
社会福祉士はいくつもの要件をくぐり抜けて、「国家試験」を受験しそれに合格することで晴れて社会福祉士として一歩を踏み出すことになります。
しかし一方で、社会福祉士の国家試験は当然ながら一定の権威、難しさがありそれに合格するのは一筋縄にはいきません。社会福祉士の試験は、「福祉」に関わる多くの分野に対しての幅広い知識が要求されます。
当然筆者も、そのような国家試験に合格して、このブログの管理をし、現在専門職として勤めることになっています。
今回はその社会福祉士の試験についての情報をまとめさせていただきます。ご参考になれば幸いです。
重度重複障害児者の生活介護事業所にて3年の生活支援員を経験後、地域活動支援センターにて社会福祉士・精神保健福祉士として勤務。発達障害・精神障害を持つ利用者との関わりが主であり、障害福祉に関しての研修も担当しながら経験を積んでいる専門職3年生。ブログを通して障害福祉に関する情報を発信している。
社会福祉士の試験について
社会福祉士の試験は具体的に下記のような内容の試験となります。
・共通科目と専門科目に分かれる。
・合格のボーダーラインはその年の平均点から算出されるおよそ6割ほど。
・全科目のうち、無得点(0点)が1つでもあるとその時点で不合格。
基本的な概要は公式のホームページに色々と書かれているので、ここでは徹底的に要約していくのですが、まず第一に社会福祉士の試験について客観的な評価を考えていきましょう。
まず社会福祉士の国家試験の合格率は下記のとおりです。
出典:厚生労働省 社会福祉士国家試験 受験者・合格者の推移より
これは国家試験の中では比較的合格率が高いと言えるのですが、反面福祉系の資格の中ではかなり低い部分にあると言えます。これは色々な要因があると言われているのですが、下記のような理由が考えられます。
・出題範囲が広大かつ科目も複雑なので、点が取りにくい
・幅広い層が受験するので、必然的に合格率が下がる
・単純に問題の形式が特殊
これらの要素が妙に合格率が低い理由であると筆者は考察しています。
これをまとめると、「特殊な問題形式に対応し、かつある程度広い範囲を押さえ、しっかり勉強をする」ことが最善手であると考えられます。
科目と合格ライン
社会福祉士に試験は大きく分けて、「11科目の共通科目」と「8科目の専門科目」があります。
具体体的な内容は下記のとおりです。
人体の構造と機能及び疾病
心理学理論と心理的支援
社会理論と社会システム
現代社会と福祉
地域福祉の理論と方法
福祉行財政と福祉計画
社会保障
障害者に対する支援と障害者自立支援制度
低所得者に対する支援と生活保護制度
保健医療サービス
権利擁護と成年後見制度
社会調査の基礎
相談援助の基盤と専門職
相談援助の理論と方法
福祉サービスの組織と経営
高齢者に対する支援と介護保険制度
児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度
就労支援サービス
更生保護制度
このうち「共通科目」は、社会福祉士だけではなく精神保健福祉士とも試験が共通しているためこのように言われます。また、この部分は精神保健福祉士を所持していると免除され、専門科目のみの試験となります。
重要なこととして、社会福祉士の試験では沢山の科目に加えて、これらの科目のどれかで「0点をとってはいけない」ということです。そのうえで、問題の総得点の60%を基準として、ボーダーラインが設定されます。
このボーダーラインは、その年の問題の難易度で補正されるので、常に一定ではなくその試験ごとによって変わります。その都度全く異なる数値になる上、このボーダーラインの存在により、受験後もなかなか安心できないことも多いのが本試験の特徴です。
問題の形式
社会福祉士の試験の一つの特徴として、「問題の形式がやや特殊である」というものがあります。
とはいえなかなか言葉での説明が難しいので、具体的に問題文を見ていただきましょう。
これを見るとわかるのですが、社会福祉士の問題は基本的に文章が長いです。
この長い文章から、内容を読み解いていその成否を判別するというものが常に求められるということであり、一問一答的な勉強を得意としていた人たちほど難しく感じるかもしれません。
この独特な問題の形態が社会福祉士の試験問題の難しさです。
それに加えて、上述の非常に広範囲な出題範囲もあるので、人によっては「福祉試験の中でもトップクラスの難易度」と言われることもあります。
これらをかいくぐって、得点を獲得していくことになるのですが、あまりの範囲の広さから心が折れてしまう人、勉強の方法がわからない人など、悩みを抱える人も多くいます。
具体的な勉強方法
前述の通り、社会福祉士の試験はなかなか勉強がし辛いものです。
しかしそれでも、一つずつ難しい部分を考え、それへの対策を考えると具体的な勉強を方法につなげる事ができます。
①:問題範囲が広い → 過去問を確認して繰り返し出題されている部分を掴む
②:特殊な問題形式 → 問われている内容について理解し、傾向を掴む
一見同じような事を言っているようですが、これは具体的に「過去問」という軸があります。
社会福祉士の勉強は従来までの勉強方法とはまた違うやり方が必要になってきます。
具体的には下記のようなことが考えられます。
① レビューブックを用いた学習方法
福祉系の資格の場合、ほとんどは「レビューブック」という試験範囲を網羅した参考書があります。
福祉系の大学や専門学校など、多くの場面でこのレビューブックが必需品として扱われています。ちなみに筆者の周りでもほとんどが使用しており、当然のように筆者も使っていました。
効果的な参考書ではあるのですが、あまりにも範囲が広く分厚く、効率的な勉強方法を自分自身で開拓しなくてはいけないという難点があります。
② 過去問を用いた学習方法
社会福祉士の公式サイトでは、過去3年分の過去問を公開しています。それを用いた学習方法として、シンプルに過去問を繰り返し勉強するという方法があります。
3年分の過去問を繰り返し勉強すると言うと「え?それでいいの?」と思う人も多いかと思うのですが、そもそも社会福祉士の試験というものは、問題そのものが長すぎて人間が暗記できるレベルを超えているものなので、このシンプルな方法であっても意外に効果的です。
社会福祉士の試験の特徴として、シンプルに文章が長いというものがあるのですが、裏を返すとこれは「読み取りに多くの知識を要求する」という意味でもあります。
つまり繰り返し勉強をしていくことで、単純な問題文と正解以外に、多くの知識をインプットすることが出来ます。
また、3年分の過去問を繰り返し勉強していると、内容の中で「共通して出題されている部分」がわかるようになってきます。そこを少しずつ理解して、焦点化した勉強をしていくことが得点に繋がります。
③ 模試を用いた学習方法
社会福祉士の試験には、大学受験のような「模試」というものがあります。福祉系大学などで受けることが出来るのですが、個人でも受けることも出来ます。筆者が受けたことがある模試は下記のとおりです。
過去問に対して、「現状の自分の腕試し」という意味合いで受けられる模試ですが、一般的なものと同じように、結果から専門的な視点から自分の得意・不得意を分析してくれます。
あくまでも模試は「試験を想像された問題」であるため、直接的な勉強の成果としては結びつきにくいかもしれないのですが、現状を知る上では大切ですし、また「実際の試験に慣れる」ということも重要なアドバンテージになります。
実際の試験はそこそこの長丁場であるため、そこに慣れておくということは、実際に本番で実力を発揮できるようになります。
ただし注意点として、「実際の問題とやや方向性が異なる問題になる」という部分です。難易度的に言うと模試のほうが高いことが多くあるとのことで、実際に得点につながる勉強ということになると、過去問に出番を譲ることになりそうです。
筆者の勉強法
ここまで色々な勉強方法を上げてきたのですが、具体的に筆者がした勉強というものは、上述の「1から3まで全てをやる」というものでした。
具体的な勉強方法は別の記事に任せるとして、基本的に列挙した3つをローテーション的に行っていくのが基本です。
暇な時間帯にレビューブックでインプットし、過去問を解くというアウトプット繰り返して、模試で効果測定、というようなやり方を続けていました。
まとめ
社会福祉士の試験は、問題の形式が一般的な試験とは異なり、かなり勉強しづらいです。
そのため「社会福祉士のための勉強」をしなくては得点になかなか結びつかないことも多くあります。
社会福祉士は福祉に関係する試験であり、最終的な仕事をするためには人間力が必要になるのですが、試験をパスするのはまた別の能力になります。そこは割り切って、合格できるように、そのための勉強をする必要があります。
いっときの大変さはもちろんありますが、しっかり対策をすれば突破できるものでもありますので、是非自分にあった勉強方法を確立していきましょう。
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