【社会福祉士国家試験対策】社会福祉士・国家試験勉強をする上でやってはいけないこと5選【現役専門職が解説】

2024-02-23

 このブログでは現在社会福祉士及び精神保健福祉士として勤務している筆者が、福祉に関する色々な情報について発信しているのですが、その中でも「社会福祉士の勉強法」についての記事を投稿しています。

 社会福祉士は国家試験によりライセンスを収める国家資格であり、それ相応の受験資格と、試験への合格を要求します。

 今回はそんな「どうやって勉強をするか?」というものではなく、逆説的に「社会福祉士の勉強をする上でしてはいけないこと」をご紹介させていただきます。

 この記事は「現在社会福祉士を目指して試験勉強をしている!」という人へ向けた記事となりますが、「勉強」という幅広いことへも触れているので、多くの人に最後までご覧いただければと思います。

 しばしのお付き合いをよろしくお願いします。

この記事を書いた人
寂 あまどい

重度重複障害児者の生活介護事業所にて3年の生活支援員を経験後、地域活動支援センターにて社会福祉士・精神保健福祉士として勤務。発達障害・精神障害を持つ利用者との関わりが主であり、障害福祉に関しての研修も担当しながら経験を積んでいる専門職3年生。ブログを通して障害福祉に関する情報を発信している。

してはいけないことを学ぶ意味とは?

Mohamed HassanによるPixabayからの画像

 まずこの記事まで来られた人たちは、社会福祉士に少なからずゆかりのある人たちではないでしょうか?

 主にこの記事は、下記のような人たちを対象として書いています。

こんな人に読んでほしい

・社会福祉士の国家試験合格を目指している人
・繰り返し受験しているが合格にまで至らない人
・社会福祉士以外の福祉資格を目指している人

 社会福祉士の試験は、その他の試験と異なり独特な要素が複数あります。社会福祉士の試験概要については下記の記事にて解説しているので、ご参考いただければ幸いです。

 社会福祉士の試験が独特とはいえ、どうして「してはいけないこと」を学ばなければいけないのでしょうか?

 それは下記のような理由があります。

どうして「してはいけないこと」を考えるか

・何度も試験に挑戦しているけれど、合格が出来ない
・勉強をしているのになぜか結果が出ない
・そもそもどうやって勉強していいのかわからない

 筆者の周りにもこのような人たちが沢山おり、「社会福祉士の試験の挑戦したけど結局合格出来なかったからやめてしまった」という人がとても多くあります。

 このような人たちがいることは非常に嘆かわしいことです。

 社会福祉士の試験は確かに、試験そのものは大切な知識を要求しますが、本当に福祉の仕事を続ける上で必要なのは、「生身の人と向き合う」ということです。

 社会福祉士の試験を受ける、ということはある程度の福祉に必要な素質を備えていると言えます。なぜなら、それがなければ受験資格にまでは至らないからです。

 それなのに、「試験勉強で躓いたから」といってその道が閉ざされてしまうのは、悲しいものです。

 同じ専門職として、そのようなことが起きてしまうと、福祉に携わる人たちが少なくなってしまいかねません。

 だからこそ、してはいけないことを振り返って考える必要があるわけです。

 次からは早速、「してはいけないこと」に入っていくのですが、これらは他の資格取得のための勉強にも通ずるものもありますので、色々な人に参考いただければ幸いです。

1.社会福祉士の試験についてよく知らないまま勉強する

Peggy und Marco Lachmann-AnkeによるPixabayからの画像

 これは非常に代表的な「してはいけないこと」の一つです。

 社会福祉士の試験だけにとどまらず、これはおそらくあらゆる試験でやってはいけない行為です。

 基本的にあらゆる「試験」というものは、要求される能力が全く違います。たとえ同じような試験であっても、それぞれで求められる能力は微妙に異なっています。例えば、このサイトは福祉関連の情報を提供しているので、下記のようにまとめられます。

福祉の試験について

・社会福祉士 → 福祉全般の広範な知識
・精神保健保健福祉士 → 精神保健に関する幅広い知識
・介護福祉士 → 介護技術及び介護保険制度に関する専門的知識
・ケアマネージャー → 保健医療サービス全般に関わる専門的知識

 これらのように、「知識」という部分に限定しても、これだけの違いがあります。

 勿論、福祉の試験ですから、ある程度共通した部分はありますが、知識においてもこれだけ方向性の違いがあれば、それぞれの特性をしっかりと理解しておかないと合格まで結びつかないということです。

 更にこれらの知識的な部分以外に、問題の傾向も微妙に違っているため、対策の立て方も違ってきます。

 例えば社会福祉士の試験は、非常に幅広い知識が求められるという所から、「広く浅く勉強していく」ということが必要になります。

 そのあまりの広い範囲から、出題される問題の傾向に特徴があり、対策をしっかりと確認する必要があります。

 これに対して精神保健福祉士や介護福祉士の試験では、明確に「専門的な部分」をかなり深掘りする必要があります。対策する範囲が限定的な分勉強しやすいのですが、そのような一点突破の勉強をしていては、社会福祉士の試験に合格することが出来ないでしょう。

 このように、試験の性質や傾向を理解しないまま勉強をスタートしてしまうと、あらぬ方向に進んでしまうことがあります。

2.すべての試験範囲を勉強しようとする

Peggy und Marco Lachmann-AnkeによるPixabayからの画像

 社会福祉士の試験で、周りの多くの人がやろうとしていたことが「すべての試験範囲を勉強しようとする」ということです。

 これはどきりとした人も多いのではないでしょうか?

 試験勉強において、その範囲を全体的に勉強するのはもはや鉄板中の鉄板かもしれませんが、社会福祉士の試験においてそれは良い結果に繋がらないこともあります。

 というのも、社会福祉士の試験勉強では一般的に「レビューブック」と呼ばれる参考書を使って勉強する人がメジャーです(筆者もレビューブックを主として勉強していました)。

 このレビューブックは、社会福祉士の膨大な試験範囲を丁寧にまとめてくれている素晴らしい参考書であり、中身も比較的見やすく作られています。

 ですがこのレビューブック、「試験範囲を丁寧にまとめてくれている」のは良いのですが、裏を返せすとそれだけの情報量が詰まっていることになります。

 そのため、なんとこのレビューブックはほとんどのページにぎっしりと情報がある上、総ページ数が1000ページ近いほどのボリュームがあります。

 これだけの情報量をすべて勉強しようとするのは、あまり効果的とは言えないでしょう。

 勿論それだけの情報を記憶しておくことは不可能ではないかもしれませんが、社会福祉士の試験はこのような「知識を詰め込む」という勉強方法とそもそも相性がよくありません。

 一問一答のように知識を問われるものであればまだしも、社会福祉士の試験は基本的に「文章」で構成されています。

 これでは詰め込み型の長所を活かすことができず、結果に結びつかないことが考えられます。

 大切なのは、「重要な部分を中心に勉強する」ということです。

 しかし全ての範囲を勉強しようとしてしまう人が非常に大きくいます。まずそこから勉強方法を振り返っていくところから考える必要があります。

3.独学で勉強しようとする

Peggy und Marco Lachmann-AnkeによるPixabayからの画像

 社会福祉士の試験だけに限らない話なのですが、「独学で勉強しようとする」というものもよくある話です。

 これは正確に言うと「やってはいけないこと」ではないのですが、「あまり好ましくないこと」ではあります。

 更に正確に言えば「効果的な勉強方法でやろうとしない」とも言えるかもしれません。

 この記事では何度も「社会福祉士の試験は形式がやや特殊」と記述させてもらっているのですが、しっかりと合格するためにはテストに合わせた勉強方法は必須になります。

 そのため、「自分の経験だけで勉強を進めよう」と考えるのは冷静に考えたほうが良いでしょう。

 例えばメジャーな勉強方法には下記のようなものがあります。

メジャーな勉強方法

・参考書の重要ワードや年号などを反復して学習する
・クイズ形式での学習をする
・聞き流しを用いて色々な概念を学習する

 これらの学習方法は、「すべての試験範囲を学習しようとする」で紹介した通りあまり効果的ではありませんが、世間的にこれらの勉強方法は圧倒的にメジャーであり、「試験勉強」と聞いて一番に浮かぶものかもしれません。

 しかしこれらの勉強法は社会福祉士の試験とは非常に相性が悪いです。

 勿論独学で学習するのは悪いことではありません。最近ではネットを通じて、効率的な手段を手軽に獲得する方法がたくさんあるので、必ずしもこの項目が間違いではないのですが、引っかかってしまうと長く時間を取られてしまうこともあるかもしれません。

4.睡眠不足のまま勉強しようとする

Peggy und Marco Lachmann-AnkeによるPixabayからの画像

 社会福祉士の試験は、学生だけではなく社会人で働きながら合格を目指す人も多くいます。

 働きながら勉強するということは、それだけ仕事や家事などに追われながら勉強しなければなりません。また社会福祉士を必要とする人たちは、仕事柄必要になってくるということが多いため、ハードルは非常に高くなります。

 これはむしろタイムパフォーマンスの問題になるかもしれませんが、「勉強をする時間を増やすために睡眠時間を削る」という人も多くいるかもしれません。

 しかしこれはすべてのパフォーマンスを下げてしまうため非常に悪手になってしまいます。

 勉強の時間を増やすということは確かに大切なのですが、それは「正しい状況」で「正しいコンディション」でするのが大前提なので、それを狂わせてしまう睡眠不足は勉強において天敵になります。

 具体的に睡眠不足で問題視される勉強の影響は下記のとおりです。

睡眠不足が与える影響

・記憶力の低下
・集中力の低下
・思考能力の低下

 一般的に言われているものでもこれだけの影響があり、これらが低下した上でする勉強はほとんど効果がない場合もあります。

 更に睡眠不足での勉強は「勉強をしているはずなのに効果がでない」という事になりかねないので、精神的にも強い影響をきたしてしまいます。

 中には「自分はこれだけしているのに効果が出ないなんて、能力がないんだ」と悲観的な態度になってしまうこともありますし、そうなってしまっては勉強そのものの意志を失ってしまうことになります。

 そのため、睡眠不足での勉強は、直感的に思うものよりも遥かにハイリスクであると言えるでしょう。

5.自分の生活リズムにあっていない

Peggy und Marco Lachmann-AnkeによるPixabayからの画像

 これも「睡眠不足のまま勉強する」というものに通ずることがありますが、ここでは「継続して勉強をする」ということに焦点化したものです。

 そもそも社会福祉士に限らず、勉強は継続が大前提になります。多くの研究データでも、人間が学んだことを定着させるためには、「継続する」ことが不可欠になります。

 勿論、それは社会福祉士の試験でも同様であり、「正しい勉強方法」を「正しい生活リズム」で続けなくてはいけません。これが最低限できないと、社会福祉士の国家試験に合格する事は難しいでしょう。

 やはり無理なく継続できるように生活リズムに組み込むことが必要になってきます。

 しかし多くの人は「生活リズムに合わせて勉強する」ということを軽視している場合が多くあります。

 それには下記の理由が考えられるでしょう。

生活リズムを無視した勉強の原因

・勉強することが目的になってしまっている
・自分の生活リズムをうまく把握できていない
・詰め込み型の勉強が一番だと思っている

 これらの理由の中で厄介なのは「勉強そのものが目的になる」ということです。

 確かに勉強することは必要ですし、合格の上では避けては通れない道なのですが、それが 「目的」になってしまうと合格はむしろ遠ざかってしまいます。

 大切なのは、「勉強をすること」ではなくて「試験に合格すること」なのです。

 その目的を誤ってしまって、自分の生活リズムを無視した勉強は、効果的ではないどころか、むしろ逆効果になってしまいます。

 無茶な勉強は百害あって一利なしとも言えるかもしれません。

まとめ

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 今回は「社会福祉士の試験勉強においてしてはいけないこと5選」と題しまして下記のことをまとめさせていただきました。

本日のまとめ

①:社会福祉士の試験についてよく知らないまま勉強する
②:すべての試験範囲を勉強しようとする
③:独学で勉強しようとする
④:睡眠不足のまま勉強しようとする
⑤:自分の生活リズムにあっていない勉強をする

 これらは実際に筆者が見てきた受験生の中で、「勉強をしているけど合格できない人たち」に共通していることでした。

 勿論これらは、何かしらの社会調査によって導き出されたものではなく、あくまでも筆者の個人的な経験を踏まえてのものなので、賛否両論あるかもしれません。

 それでも、勉強をする上でこれらの要素は非常に重要なところになってくると感じています。多くの教養メソッドでも謳われていることもあったのではないでしょうか。

 どれも本質的には「勉強をすること」が目的になってしまうということがあるかもしれません。肝心なことは「試験に合格すること」であることを忘れてはいけません。

 ぜひこれらは「社会福祉士の試験を受けるぞ!」と思っている人たちは、上述のことをご参考ください。

 一人の社会福祉士として、同じような志を持つ専門職の方が一人でも増えるよう、心から祈っています。

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