【どこに相談すればいいの?】日常生活の相談をする場所は?福祉に関わる相談の場について紹介【障害福祉解説】

 ※この記事は「厚生労働省」の記事を参考に作られています。福祉サービスは自治体により内容が異なるため、実際の福祉サービスの利用の際には必ずお住まいの自治体にお問い合わせください。

 障害者向けの福祉サービスは、このブログでもいくつか紹介させていただいているのですが、そのどれもが「制度が複雑すぎて普通の人は利用しづらい」という困り事があります。

 福祉の専門職のなかで、「相談支援」と呼ばれる仕事に携わる人たちこそ、そのような人々の困りごとにピンポイントで応える事ができます。

 しかしながら、漠然と「福祉制度を利用したい」と思っても、「実際にどこに相談をしていいのかがわからない」と思われる人も多くいるかと思います。

 福祉制度の利用は「自分で申請してから、支給決定を受けて、その事業をしている事業所を探す」という、実際に専門職として勤務している人から見てもややハードルが高い場面が多くあります。

 一方で地域には、それらの困りごとに対して「相談する場所」がいくつか用意されています。

 今回は「地域における相談できる場所」と題しまして、相談場所をまとめてご紹介させていただきます。最後までご覧いただければ幸いです。

この記事を書いた人
寂 あまどい

重度重複障害児者の生活介護事業所にて3年の生活支援員を経験後、地域活動支援センターにて社会福祉士・精神保健福祉士として勤務。発達障害・精神障害を持つ利用者との関わりが主であり、障害福祉に関しての研修も担当しながら経験を積んでいる専門職3年生。ブログを通して障害福祉に関する情報を発信している。

相談できる場所はどんなところがある?

Peggy und Marco Lachmann-AnkeによるPixabayからの画像

 まず福祉制度について相談できる場所というものは、実は地域の中で多く見られます。

 しかしながら、福祉のサービスには大きくわけて「高齢者」「障害者」「児童」の3種類に分類されており、基本的にこれらはそれぞれ全く別の管轄になります。

 更にこれらの分類分けは当然「年齢」であったり「障害を持っている」というような、分け方をされているので、「来年から児童じゃなくなる」や「障害者だったけれど来年から高齢者になる」ような特殊なケースも多々あります。

 そのため、「どこに相談すればいいのかわからない」ということがよくあります。

 このようなケースでも、「将来的に利用するサービスはなにか?」で決めていくことが基本になります。というより、このあたりはその自治体によってかなり空気感が異なるので、都度確認していくことになるでしょう。

 具体的に、福祉の相談所というものは下記のようなものがあります。
 今回はあくまでも、各分野における代表的なものを紹介させていただきます。

  • 各自治体の市役所(福祉全般)
  • 児童相談所(児童福祉分野)
  • 地域包括支援センター(高齢福祉分野)
  • 相談支援事業所(障害福祉分野)
  • ハローワーク(就業者向け)

 上記は各分野において代表的な地域の相談窓口になります。

 その中でも、市役所や役場などは、各福祉分野の相談窓口について、その自治体にあった情報を提供してくれます。

 自分の状態が今どのようなことになっているかわからない人は、まず市役所に問い合わせをしてみて、相談してみるのも良いのではないでしょうか?

各自治体の市役所及び役場

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 市役所については、前述の通りあらゆる相談窓口を紹介してくれる場所であり、「自分がどこに相談して言いのかもわからない」という状態において問い合わせをするべき場所です。

 というのも、基本的に多くの福祉サービスは各自治体によって微妙に異なっている場合があり、利用の際は必ず自分が生活している自治体に確認することが大切になります。

 そのため、事前に確認を怠ると「自分がイメージしていた福祉サービスと違った」ということに成りかねません。

 また、これからご紹介する下記の相談機関について、漫然とした理解の場合は、それを含めて確認しても良いかもしれません。

児童相談所(児童福祉分野)

skalekar1992によるPixabayからの画像

 児童相談所とは、児童福祉法に基づいて設置される行政機関のことです。

 原則として18歳未満の子どもに関する全般の相談に対応していますが、具体的には下記のようなものが相談としてなされる場合があるようです。

児童相談所で相談できること

・保護者に何らかのトラブルがあり子どもの生活が難しくなる
・身近に虐待などをされている子どもがいる
・学校でのトラブルや発達の異常などが感じられる
・知的の遅れや学習障害、自閉的な傾向がある子どもがいる
・養子縁組や里親に関する全般のことについて

 児童相談所は児童に関する幅広い相談について受け付けている相談窓口です。

 障害福祉の分野とは関わりが深く、「知的障害」や「発達障害」などが疑われる際は、児童相談所にまず相談するケースも多くあるほどです。

 実際、知的障害の判定は児童相談所によってなされるので、支援においては要となるような存在と言えるでしょう。

 それ以外にも、虐待児童に対しての「一時保護」や「継続的な支援」などの保護的な機能や、「里親」や「養子縁組」などについての情報提供も行っています。

 あらゆる面で児童に関する多くの情報や支援を行っている要の機関でもあるので、児童についての悩みがありましたらまずこちらに問い合わせをしてみてはいかがでしょうか?

地域包括支援センター(高齢福祉分野)

 地域包括支援センターとは、介護保険法に基づいて設置される機関であり、地域における保健医療の向上及び福祉の増進を包括的に支援する施設です。

 主に社会福祉士・主任ケアマネージャー・保健師の3種類の専門職から成り、地域生活をしている高齢者を主として、色々な確度から相談を受ける事ができます。

 高齢者に関するあらゆる相談に対応していて、具体的には下記のような場面で利用することになるでしょう。

地域包括支援センターで相談できること

・両親や身近な高齢者の認知症を疑う状態になっている
・介護保険制度に関する疑問や実際の利用について
・要介護認定を受けるための手続き
・成年後見制度に関する情報の提供
・介護予防についての情報やプログラムの紹介

 難しい用語が並んでいますが、「高齢者におけるあらゆる制度の相談」に対応していることを示しています。

 高齢者が利用できる福祉制度の核となるのが「介護保険制度」になり、その利用の全般の相談をすることができます。

 自分自身で利用ということだけでなく、「家族のため」に相談をする人もいるので、身内の高齢者で気がかりなことがある人はこちらを利用してみてはいかがでしょうか。

相談支援事業所(障害福祉分野)

Mohamed HassanによるPixabayからの画像

 相談支援事業所は社会福祉法に基づいて設置される機関であり、障害のある人やその家族に応じて、必要な情報の提供や支援を行う事業所です。

 このサイトでも何度か記事にしている通り、障害を持った人に関する多くの相談を受け付けており、大きくわけて「一般相談支援事業所」と「特定相談支援事業所」の2種類があります。

 一般相談支援事業所は、障害のある人が地域で生活するための全般的な相談支援を行うもので、病院に入院していた障害を持つ人が地域に移行する時に利用されます。

 特定相談支援事業所は、障害のある人たちが障害福祉サービスを利用する時の全般的な相談支援を行います。障害福祉サービスを利用する時に必要になる「サービス等利用計画」を作成するのがここになります。

 障害者に関する様々な相談を受け付けており、具体的には下記のような内容の相談をすることができます。

相談支援事業所の相談できること

・障害福祉サービスの利用について
・障害のある人が地域で生活するために必要な情報の提供
・障害のある人が地域で生活うえでの権利擁護や社会参加の促しなどの啓蒙

 筆者の勤めている仕事先はこの相談支援事業所に分類されますが、私の職場の場合は、制度利用に関する相談や日常生活に関する悩み事が多い印象があります。

 障害を持つ人で相談をいたい場合は、こちらの機関に相談するのはいかがでしょうか。

ハローワーク

Mohamed HassanによるPixabayからの画像

 ハローワークは、一般的なイメージでは就職に関する多くの相談を受け付けているイメージがあるかもしれませんが、障害を筆頭に何かしらのハンディキャップのある人たちのしごと全般に関する相談を受け付けています。

 具体的には下記のようなことについて相談をすることができます。

ハローワークで相談できること

・就職に関するあらゆる相談
・雇用保険の受給などに関わる相談
・子育てをしながら就職を希望する人への相談
・学生や未就職の人への就職に関する相談
・高齢者への就職に関する相談

 このように、仕事に関わるあらゆる相談をすることができます。特に雇用保険に関する手続きはハローワークが要となるので、退職等があった場合は必ずハローワークで手続きを行うことをおすすめします。

 それ以外にも、「働きたい」という気持ちを汲み取り、適切な環境を教えてくれる、もしくはそこで働くための知識の相談など、色々な相談をすることができますので、就職に関する相談はこちらの機関に相談するのはいかがでしょうか。

まとめ

Mohamed HassanによるPixabayからの画像

 今回は地域における相談窓口について解説させていただきました。

 まとめると下記のようになります。

  • どこに相談をしていいのかわからない場合はまず住んでいる自治体の市役所に相談する
  • 児童に関する相談事の全般は児童相談所に相談する
  • 高齢者に関する相談事の全般は地域包括支援センターに相談する
  • 障害に関する相談事の全般は相談支援事業所に相談する
  • 就労に関する相談事の全般は相談支援事業所に相談する

 このように、福祉の相談窓口は、名前が難しかったり、似ていたりすることで分かりづらいところがあるかもしれませんが、このように比較してみると比較的わかりやすいかもしれません。

 どちらにしても、福祉に関する問い合わせは「市役所」を起点として相談してみると良いかもしれません。

 福祉サービスは確かに複雑ですが、それを補助するための相談機関もある程度充実しています。

 これらを活用して、自分にあったサービスの利用につながればと思います。

 このサイトでは、「障害福祉」に関する様々な情報を発信しています。身近な人で障害を持っている人がいる、障害を持ってしまったけれどどうしたら良いかわからない、人たちへ適切な支援につながる事ができるように、これからも適切なソースに従って記事を投稿を心がけています。
 良ければ他の記事もご覧いただけると幸いです。