【社会福祉士】科目:人体構造と機能及び疾病についての解説【国家試験対策】

 ※この記事は「厚生労働省」の記事を参考に作られています。福祉サービスは自治体により内容が異なるため、実際の福祉サービスの利用の際には必ずお住まいの自治体にお問い合わせください。

 このブログでは社会福祉士・国家試験に関する勉強方法に関する記事を投稿しています。

 今までは「社会福祉士の試験とは?」という概略的なところがほとんどでしたが、ここからは一つ一つの分野に焦点を当てて、効率的な勉強方法を考えていきたいと思います。
 この記事は、「目次」として下記のページを設けております。最初にそちらをご覧いただければ幸いです。

 社会福祉士には全部で共通科目・専門科目それぞれ合わせて19科目存在しており、それらすべての科目で一定の水準の知識が必要になります。

 社会福祉士の不合格の理由として「19科目のうちどれか一つでも0点を取ってしまうと不合格になる」というものがあります。

 そうならないためにも、社会福祉士の試験の知識はある程度幅広いレベルを求められます。

 そのため、どの科目もある程度の勉強と把握が大前提になります。

 しかしながら、どの科目も非常に幅広い知識が要求されるため、科目ごとの特徴を掴んでいく必要があります。
 今回はその中でも「人体構造と機能及び疾病」についての解説をさせていただきます。最後までご覧いただけると幸いです。

この記事を書いた人
寂 あまどい

重度重複障害児者の生活介護事業所にて3年の生活支援員を経験後、地域活動支援センターにて社会福祉士・精神保健福祉士として勤務。発達障害・精神障害を持つ利用者との関わりが主であり、障害福祉に関しての研修も担当しながら経験を積んでいる専門職3年生。ブログを通して障害福祉に関する情報を発信している。

人体構造と機能及び疾病の概要

kirill_makes_picsによるPixabayからの画像

 社会福祉士の試験で最初に待ち受けるのは「人体構造と機能及び疾病」です。

 難しい言い方がされているのですが、より簡単に言い表すのであれば「福祉の専門職として必要な医学的知識」を問われていることです。

 そのため看護師などの「医療を取り扱うもの」のためではなく、あくまでも「福祉的な業務において必要な知識」であるため、問題の傾向が若干違っています。

 具体的に福祉の専門職として必要な医学知識には、下記のようなものが考えられます。


  • 高齢者における病状リスク
  • 成長および発達段階の身体的・精神的な変化
  • 先天的及び後天的に発生しうる障害リスク

 公式サイトで閲覧できる過去問を見るとわかるのですが、この科目で問われている知識は基本的に「治療のため」ではなく、「障害によって生活が難しくなる可能性があるもの」や「人がどのように発達していくのか」という知識を問う問題が中心です。

 そのため、社会福祉士の試験のいろいろな場所で必要な基礎的な医学の知識を学ぶ科目がこの「人体構造と機能及び疾病」ということになります。

 後述しますが、勉強によって点数アップにつながりやすい重要な科目ですので、しっかりと勉強が必要な場所となります。

科目の重要度(☆☆)

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 「人体構造と機能及び疾病」の重要度は「☆☆」となります。

 この科目はいわゆる医学全般を指しており、社会福祉士の試験の中でも基礎的な知識を支える場所になります。

 そのため、特に「障害者に対する支援と障害者自立支援制度」や「高齢者に対する支援と介護保険制度」、「保健医療サービス」などの分野で知識を活用することができる場面があります。

 社会福祉士の試験は、「すべての科目で1点以上を獲得する」という合格条件があるので、いくつかの科目に応用できる知識を得ることができる「人体構造と機能及び疾病」は比較的重要な科目であると言えます。

 しかしながら、「人体構造と機能及び疾病」が活かすことができる知識は医療分野に関するものが中心であるため、それ以外の方面に対しての知識は活かしづらいため、重要度は「☆☆」としています。

科目の難しさ(☆)

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 「人体構造と機能及び疾病」は科目としては比較的勉強しやすい科目になります。
 具体的には下記のような理由によって、勉強しやすいと言えるかもしれません。

人体構造と機能及び疾病の問題の特徴

・「高齢者」「障害者」「難病」など出題範囲がある程度明確であり、「単語を覚える」などの勉強方法がわかりやすい
・福祉的な知識と関連させて覚える事ができ、共通の用語が多く文章の理解がしやすい
・問題の文章がシンプルでわかりやすい

 社会福祉士の試験の中では、特に問題文が非常に理解しやすいということは、科目の難易度に大きな影響があります。

 特に他の科目になると、「文章に含まれる言葉の理解が難しい」ということも多くなり、その点を見れば難易度は易しい部類になります。

 当然ながら、あくまでも社会福祉士の試験の中では簡単な部類ということであることや、得意不得意の影響も受けるため、これらは参考までにご覧いただければ幸いです。

 問題そのものの理解のしやすさや、範囲が明確であるという部分は確かに易しいですが、その一方で「複雑な医学的なことを覚えなくてはいけない」ということに変わりはないため、しっかりとした対策は当然必須になります。

問題の特徴(☆☆☆)

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 「人体構造と機能及び疾病」の問題の特徴として、先述した通り「問題の記述がわかりやすい」ということがあります。

 この科目の問題傾向は下記のような特徴があります。


  • 問題は全部で7問あり、うち1問が事例問題になる可能性がある
  • 問題の傾向は「正しいものを選択する」や、「適切なものを選択する」という「単語や概念の説明を回答する」ものが多い傾向にある
  • 選択肢は単語や短い文章が多く、簡潔な内容が多い反面、問われているものに関する知識がないと答えられない傾向にある

 大きな特徴は上記のとおりとなります。

 その中でも、「人体構造と機能及び疾病」は、問われている部分が例年似ており、下記の部分は頻出していると言えます。

頻出の問題について

・ICF(国際生活機能分類)に関すること
・加齢による身体の発達、高齢によって生じる身体的な変化及び病気のこと
・身体、知的、精神、発達障害に関すること
・体の内部構造に関すること
・がんや感染症など、リスクが高い病気に関すること

        社会福祉振興・試験センター「社会福祉士国家試験」

 社会福祉士の試験は「3年分の過去問」を公式サイトで見ることができ、上記の内容は現在掲載している時点の34回、35回、36回の問題から内容を分析しています。

 内容についてはリンクからご覧いただければと思うのですが、内容を見れば上記の特徴にほとんどの問題が当てはまっているかと思われます。

 特にこの中では、「ICF(国際生活機能分類)」に関してはすべての年で出題されており、いかにこれらが重要視されているかがわかります。

 このように問題の傾向は非常に絞られており、上記の部分を中心に勉強していくことで得点アップに繋がります。

 一方でこれらの問題は、特徴にも述べているのですが「知識」がはっきりと得点アップに繋がります。逆に知識がなければ不正解になってしまう問題が多くあるため、ある程度の基礎力が問われる部分であると言えるでしょう。

 逆に言えば、社会福祉士の試験の中で、最も勉強をしてそのまま点数アップに繋がる科目ですので、合格を目指す場合はこの科目で満点、もしくはそれに近いほどの点数を獲得することが一つの目標となります。

総合性(☆☆☆)

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 「人体構造と機能及び疾病」という科目は、上記の通りの特徴があり、下記のようなことが特徴としてわかりました。

人体構造と機能及び疾病の総合性

・内容については福祉に関する広域な医学的知識が求められる
・問題の特徴は「単語や概念を正しく回答する」というものが多く、比較的勉強しやすい
・問題の範囲が比較的狭く、知識を問われる問題が多いため勉強が点数アップにつながりやすい
・要求される知識はシンプルながら複雑で幅広い知識が多い

 上記のような特徴から、「人体構造と機能及び疾病」の総合性は「☆☆☆」と最高の評価とさせていただきます。

 特にこの科目は、社会福祉士の試験の中で最も「得点アップにつながりやすい」という部分を評価点としており、また勉強のしやすさ、他の科目に活かす事ができる知識でもあるという部分から、この評価とさせていただきました。

 当然この評価は、あくまでも「社会福祉士合格」という一点のみに重きをおいた場合ですので、すべての科目が等しく大切であることはあらかじめ強調させていただきます。

 しかしながら、社会福祉士の試験の中でこの科目ほど容易に得点アップに繋げられる科目は、実は少ないためここでしっかりと得点を稼いでおくことは大切になります。

 特に後半の制度や歴史を問う問題は、そのあまりの範囲の広さから勉強によって得点をカバーすることができない場合もあります。そのような部分から、総合性は「☆☆☆」とさせていただきました。

人体構造と機能及び疾病の勉強方法

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 この科目の勉強方法は、社会福祉士の科目の中では比較的オーソドックスな勉強方法がおすすめです。

 基本的に「知識」を問われる問題であるため、レビューブックなどを中心に範囲を理解することは勿論、このページにて記述させていただいている、頻出の部分について集中的に知識を学習し、過去問を繰り返すということが大切です。

 この科目は、特に模擬試験などでも、問題の難易度がさほど変化しないため、実践的な勉強がかなり簡単にすることができるのが特徴になります。

 できるだけ多くの問題を解き、成功体験を重ねておくことも大切になりますので、ぜひたくさんの問題を解いてみてください。

 まとめると、下記のような勉強方法があります。

人体構造と機能及び疾病の勉強

・頻出している問題の知識をインプットする(レビューブックなど)
・過去問を繰り返して内容を復習、アウトプットする
・上記を繰り返し、できるだけ多くの種類の問題に挑戦する

 社会福祉士の勉強の基本は、知識をインプットし、問題でアウトプットするという流れが殆どになりますが、この科目は特にインプットの部分が重要になり、かつ効果的です。

 これらをベースに、自分なりの勉強方法を確立してみてはいかがでしょうか?

まとめ

Mohamed HassanによるPixabayからの画像

 今回は社会福祉士の勉強方法・「人体構造と機能及び疾病」をまとめさせていただきました。
 各部分の「☆」は下記のとおりとなります。

人体構造と機能及び疾病のまとめ

・科目の重要度(☆☆) ~ 重要度は高い
・科目の難しさ(☆)  ~ 問題は比較的勉強しやすく対策もしやすい
・科目の特徴(☆☆☆) ~ 特徴は比較的わかりやすい 
・科目の総合性(☆☆☆)~ 総合性は最も高く得点アップにつながる

 今後も社会福祉士に関する勉強方法を各科目別で紹介していくので、そちらもご覧いただければ幸いです。

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