【社会福祉士】科目:心理学理論と心理的支援についての解説【国家試験対策】
このページは「社会福祉士・国家試験」の各科目の解説になります。ご覧になる前に、下記の「目次ページ」をご覧いただけると幸いです。
今回は「心理学理論と心理的支援」についての解説をさせていただきます。最後までご覧いただけると幸いです。
重度重複障害児者の生活介護事業所にて3年の生活支援員を経験後、地域活動支援センターにて社会福祉士・精神保健福祉士として勤務。発達障害・精神障害を持つ利用者との関わりが主であり、障害福祉に関しての研修も担当しながら経験を積んでいる専門職3年生。ブログを通して障害福祉に関する情報を発信している。
心理学理論と心理的支援の概要
社会福祉士国家試験・共通科目である「心理学理論と心理的支援」は、その名前の通り、心理学について幅広い知識を問う科目になります。
この科目は、心理学に関する理論的な内容を中心的に扱っており、前項の「人体構造と機能及び疾病」と並び、広域の科目にまたがった知識を問題として取り扱っています。
いわば現代の福祉的な制度の根拠となるような学問を中心として取り扱っているため、他の科目と比べても重要度の高い科目であるといえます。
この科目で問われる「心理学」に関する知識も、前項と同じく福祉における実用的なものがほとんどであり、しっかり勉強する範囲を絞ることで適切かつ効果的な得点アップを狙うことができると言えます。
具体的に、この科目で問われる心理学に関する知識は下記のようなものがあります。
- 基礎的な心理学についての知識(人間の知的な機能や人格、集団心理など)
- 人間の成長や発達に関する心理的な分野の知識
- ストレスなどの精神的な負担に関する知識
- 心理テストや心理療法などについての知識
この科目で問われるものは主に上記のようなものがあり、名前の通り「心理学の理論」と「実際に支援する時に使う知識」の2種類に分類されていると言えます。
理論的な部分は聞き慣れない単語や、学者の名前など、社会福祉士の国家試験では頻発する形式の問題が登場しますが、多くの場面で特定の用語の意味や適切なものを選ぶ問題が中心であるため、かなりベーシックな内容であるとも言えます。
総じて、重要度や社会福祉士の国家試験に慣れるという事も含めて、この科目の重要度は高いと言えます。
科目の特徴
「心理学理論と心理的支援」の問題的な特徴は前項の「人体構造と機能及び疾病」にかなり似ていると言えます。
当然ながらこれらの知識は他の場面でも活かすことができ、この部門の知識は特に「精神障害」などとかなり密接な親和性があります。社会福祉士ではなく、精神保健福祉士の国家試験を受けるときには、ほぼすべての科目で応用できる幅広さがあります。
主に問われることは「知識」の問題であり、そのほとんどが「用語の説明において適切なものを選ぶ」や、「特定の事例において適切な行動を選ぶ」などであり、かなり対策がし易いと言えるでしょう。
しかしながら、この科目は特に心理学理論の問題において聞き慣れない単語が文章に入ることがあり、「学者〇〇の~~理論で考えると」など、特定の学者の考え方について尋ねる問題が生じてきます。
このような問題は前述の通り社会福祉士の国家試験では頻発し、後の科目でも必ずといっていいほど登場してきます。
心理学ではまだ、言葉からでも理論を想像し易い場面も多いですが、理論の数も多いため完全に網羅することは難しいため、基礎的な知識から答えを導き出す地力が必要になることもあります。
今後のためにも、このような「完全初見の問題に対応する力」を鍛える入門編なような問題もあるので、「人体構造と機能及び疾病」と並び基礎的な科目であると言えます。
まとめると下記のようになります。
・この科目の知識は幅広く使うことができ、精神保健福祉士ではほぼすべての科目で知識の応用が見込める
・問題の形式は「用語の説明の適切さ」や「特定の状況での適切な行動を選ぶ」などであり、ベーシックな形式をしている
・問題文に学者の名前や理論などを出して、それを問う問題もある
・完全な事例問題は少ない
科目の重要度(☆☆)
「心理学理論と心理的支援」の重要度は「☆☆」とさせていただきます。
特徴の部分においてはその重要性については記述したとおりなのですが、科目の知識としての重要度は「☆☆」とします。
心理学の知識は社会福祉士の試験においては具体的に、「社会理論と社会システム」や「相談援助の基盤と専門職」、「相談援助の理論と方法」などの一部に役立つと言えます。
幅広い科目で応用することができるのですが、この科目は社会福祉士というより、「精神保健福祉士」の国家試験の共通科目において特に重要になると言えます。
勿論社会福祉士においてもこの科目は比較的重要なのですが、最重要科目と比べると少し劣ると言えるかもしれません。
とはいえこの科目の知識が幅広く応用できるのは間違いないので、点数を稼ぐためにも、しっかりとした勉強は欠かせない科目であるといえます。
科目の難しさ(☆)
この科目は、前項の「人体構造と機能及び疾病」と同様にかなり勉強しやすい科目と言えます。
概要のところでも記述していますが、この科目は出題範囲は他の科目と比べるとかなり限定的であり、勉強のしやすさで言えば19科目のなかでも最高といえるかもしれません。
具体的には下記のような理由が挙げられます。
・問題の形式がベーシックであり、内容そのものも理解しやすい
・試験の範囲が限定的で勉強がしやすい
・極端に範囲から外れた問題も出にくい
当然、心理学的な用語が多く含まれるため、最初のとっつきにくさがあるかもしれませんが、それでも範囲が限定的ということも助けて、勉強のしやすさが味方をすると言えます。
この勉強のしやすさから、この科目は全体から見れば、あまり難しくなく、勉強もしやすい科目であると言えます。
難しさもさることながら、この科目は前項である「人体構造と機能及び疾病」と同様に、勉強すればそのまま点数に繋がる可能性が高く、積極的に勉強をしていくべき科目であると言えます。
問題の特徴(☆☆☆)
この科目の問題の特徴としては「ベーシックな問題形式」が一つの特徴であると言えます。
問題文章のほとんどが「特定の用語に関すること」で統一されており、そのなかで「適切なものを選ぶ」という形式で問われるものであり、また問題文そのものも短いものが多いです。
この問題の形は、社会福祉士の国家試験の中でも最も基本となる問われ方であり、後半の科目ではこれに加えて、「設問の一つ一つが長文になる」や「いくつもの専門的な言葉で構成される」などの特徴が出てくるようになります。
この問題文の長さは社会福祉士の国家試験では度々見られるので、その慣れの段階というところでもしっかり慣れておく必要があります。
出題される問題の傾向もかなりわかりやすく、下記のような内容は多くの試験で問われています。
・基本的な心理学の理論についての問題
・心理的な発達段階についての理論的な問題
・心理療法や心理検査などについての問題
これらは現在公開されている「33回から36回」までの試験のなかで、すべて問われている内容です。(参考:社会福祉振興・試験センター・過去の試験問題より)
広く表現しているのですが、すべての部分で問われている内容が上記のように表現できる時点で、社会福祉士の国家試験の中ではかなり試験の範囲が狭いと言えます。
上記の内容だけしていれば良いということでは勿論ないのですが、福祉の分野においてこれらの基礎的な心理知識がいかに重要視されているか感じられる結果になりました。
他の科目はこれらのように、広い表現をしても網羅できない出題範囲をしているので、この科目ではこれらをしっかり押さえて、適切に点数につなげていくことが求められます。
とはいえ、この科目で問われる用語は「〇〇の~~理論」や、「5因子モデル」など、言葉だけ見て理解できるものもある上、「人間の知覚」などの項目では、一般的に使われているような言葉の意味とは違うものもあるため、このような部分で誤答しないように注意する必要があります。
総合性(☆☆☆)
この科目の総合的な評価は「☆☆☆」と最高評価としています。
理由としては前述の通りなのですが、具体的にまとめると下記のようなことが理由として挙げられます。
・試験範囲が他の科目と比べてもコンパクトであり、勉強をしたことがそのまま問題になるパターンもあり点数につながりやすい
・他の科目や精神保健福祉士などの他の分野の基礎的な知識であるため、その後の科目の理解を促す可能性がある
・問題の形式が他の科目と比べても理解しやすく、社会福祉士の国家試験の中でも入門編的な形式を取っている
これらのことから、他の科目と比べても非常に勉強が点数につながりやすいと言えます。
この科目は「勉強しやすい」「点数が取りやすい」「後半の科目のステップアップになる」など、数ある中でも非常に勉強に取り組みやすい要素が詰まっており、また継続的な学習により点数の伸びを実感しやすいため、最初に勉強する科目としては特におすすめできます。
まずはしっかりとこの科目で満点、もしくはそれに近いレベルの点数を取れるようになっておくことで、その後の学習も促進される可能性があります。
「心理学理論と心理的支援」の勉強方法
この科目も前項「人体構造と機能及び疾病」とほとんど同じ勉強方法で点数が取れると言えます。
心理学に関する基本的な知識を勉強していき、それについてアウトプットとして問題を解いていくという、オーソドックスなやり方を重ねていくことではっきりと問題の解きやすさや点数につながっていくことを実感しやすいと思われます。
この科目はすべての科目の中でも出題範囲がはっきりしていて、多くの問題や模擬試験などで同じような範囲から出題されるため、継続して勉強すればほとんどの場面で満点付近を取ることができるようになります。
まずはここから始めていき、他の難しい科目につなげていくようなやり方をすれば良いかもしれません。
まとめると下記のようになります。
- 頻出している問題の知識をインプットする(レビューブックなど)
- 過去問を繰り返して内容を復習、アウトプットする
- 上記を繰り返し、できるだけ多くの種類の問題に挑戦する
上記は前項「人体構造と機能及び疾病」と同じ内容となっています。
反復することで、点数アップを目指しましょう。
まとめ
今回は社会福祉士の国家試験・「心理学理論と心理的支援」についての特徴・勉強方法について記載しました。
各まとめると下記のようになります。
・科目の重要度 ☆☆(内容の重要度は高く汎用的)
・科目の難易度 ☆(出題範囲がはっきりしており非常に勉強しやすい)
・問題の特徴 ☆☆☆(内容がベーシックであり点数アップにつながりやすい)
・総合性 ☆☆☆(得点の獲得のしやすさや今後の勉強への土台作りなどで非常に重要な科目)
この科目は「人体構造と機能及び疾病」と類似した内容が多くありましたが、この二つはそれだけ「稼ぎ頭」の科目となります。
これ以降の科目は、これまでとは全く異なる範囲や勉強方法が必要になることも多くなるので、まずはここでしっかりと点数を取ることを目指しましょう。
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